<当店の思い出の区画「ラ・コパ」>
当店では「ナチュラル精製にするならニカラグアが良い」と、これまでのラインナップとともに熱く紹介をしてきましたが、その中でも信頼を置いている生産者が、カサ・ブランカ農園のセルヒオさんです。
2017年の中米出張でようやく直接お会いできて、とても嬉しかったです。
実はもう1つ、嬉しかったことがあって、このカサ・ブランカ農園の「ラ・コパ」という区画を見ることができました。
カサ・ブランカ農園の中でも最も標高が高い場所にある区画を「ラ・コパ」として分けています。
実はこの区画で栽培されているカツーラを、当店の開業当時のラインナップで販売していたのです。
このカツーラの安定した風味を当時から気に入っていたので、その区画から見た景色は格別でした。
傾斜がきつい場所でしたので、向こう側の山がよく見えますね。
当時のラインナップではウォッシュトを販売していましたが、今回は違う精製方法の豆を入荷しました。
<工夫を凝らすセルヒオさんの精製方法>
セルヒオさんは精製においていろいろな工夫を凝らす方で、ナチュラルの天日乾燥の時にも通常は平たくパティオに広げるのですが、敢えて山にして乾燥させて発酵の度合を変えてみたり、訪問した時には、コーヒー豆を保存するビニールの袋に摘み取ってきたチェリーをそのまま詰めて、乾燥させてみたりと積極的に試しています。
その中の1つに「ダブル・ファーメンテーション」という精製方法があります。
ナチュラルでは摘み取ってきたチェリーをそのまま天日乾燥するのですが、3~4週間ほどかかります。
このダブル・ファーメンテーションも、最初はチェリーのまま天日乾燥させるのですが、ここまでやらずに途中で止めて、その後は通常のウォッシュトで処理をするというものです。
これは他の国や生産者では聞いたことがなく、ありそうでなかったセルヒオさんならではの精製方法です。
そんな細かい工夫が味に出るのかと言うと、しっかり出るのが面白いところです。
基本的な印象はクリーンで安定感のあるウォッシュトなのですが、ナチュラルらしいチェリーのような甘さも感じられて、これはナチュラルの工程を挟んだ効果だと思われます。
コスタリカなどで見られるハニープロセスと何が違うの?という声が聞こえてきそうですが、こことも微妙に違うと思います。
フルーティさだけで言えば、レッドハニーくらいの強さを感じますが、ハニープロセスだと名前の通りの甘さが出てきます。
このハチミツらしい甘さ+フルーティさがレッドハニーの楽しみポイントだと思いますが、このダブル・ファーメンテーションでは、このハチミツのような甘さがありません。
そこがウォッシュトの特徴のクリーンさ、一般的なコーヒーらしい風味になりますので、飲みやすいと思います。
まさにこれは、セルヒオさんオリジナルの味作りの神髄とも言えるのではないでしょうか。
【豆についての情報】
生産国:ニカラグア
地域:ヌエボ・セゴビア
品種:カツーラ
精製:ダブル・ファーメンテーション