<サンティアゴ・プリングラのもう1つのグループ>
2019年3月の中米出張でホンジュラスに初めて訪れました。
その中でホンジュラスのいろいろな産地に足を運んだのですが、最も印象的な場所だったのが、
サンティアゴ・プリングラという地域です。
既に紹介しているパトリアルカ農園と同じ地域で、チャギテスとバニャデロスという村があり、
その住民がそれぞれに小さな農園を持ってスペシャルティコーヒー作りに取り組んでいます。
パトリアルカ農園はチャギテスで、このラ・プリンセサ農園はバニャデロスにあります。
右の方がバニャデロスのリーダーの方ですが、今回買い付けたラ・プリンセサ農園のオーナーは
別の方です。
左の方はチャギテスのリーダーで、パトリアルカ農園の農園主でもあります。
この訪問ではチャギテスを歩いたので、バニャデロスは訪問できなかったのですが、この山奥で
同じようにスペシャルティコーヒーをひたむきに作ることで、生活水準を上げようと努力しています。
道が険しい上に細く、長い距離を歩くので馬に乗って移動しました。
このラ・プリンセサ農園も標高1700mにあるとのことで、コーヒー生産は簡単ではないと思います。
応援購入の意味を込めて、バニャデロスの農園からも現地でカッピングした中から最も惹かれた
コーヒーを買付けることにしました。
<梅やスモモのような甘酸っぱさが特徴>
現地買付ロット恒例の、現地でカッピングした際のコメントを振り返ってみます。
まず、コクの部分では「カラメル」というコメントと、「明るい」というコメントを複数回書いています。
冷めてきてから「スパイシー」というコメントもあって、恐らくここに惹かれて買い付けたと思います。
実際に入荷した豆を焙煎してみると、やはり共通した所が見られます。
淹れたての熱い時間帯は、一瞬甘みのある落ち着いた印象のコーヒーを感じられます。
ここの甘みはまさにカラメルタイプです。
ただ、コーヒーが冷めていくにつれて、「明るい」と書いていた酸が目覚めてきます。
これが今感じてみると、梅やスモモを思わせるタイプの酸です。
この酸は冷めてれば冷めるほど前面に出てくるので、カッピングの最後の方に「スパイシー」と
感じられたのは、この酸の力強さのことだったと思われます。
しかし、テスト焙煎をすると、この酸はちょっと深めに焙煎するだけで弱まることが分かりました。
結果的に、当店では深めのハイローストで焙煎しています。
前半のカラメルのような甘さと、後半押し寄せてくる甘酸っぱさの変化をお楽しみください。
【豆についての情報】
生産国:ホンジュラス
地域:ラ・パス
品種:カツアイ
精製:ウォッシュド