<農園主さんについて知ってください。>
2019年3月に訪問したホンジュラス。
この出張では、スペシャルティの在り方についてとても勉強になりました。
そのきっかけとなったのが、このエルナン・ゴメスさんです。
エルナンさんはエル・ピノ農園とブエナ・ビスタ農園を管理していて、ブエナ・ビスタ農園は奥さん
名義の農園です。
以前は他の生産者と同じように貧しく、摘んだチェリーもロバで運ぶような状況でした。
スペシャルティに取り組み始めたのは、2014年12月から。
今回の出張のアテンドをしてくれたロニーが当時、ホンジュラスコーヒー協会(IHCAFE)の職員
だった頃に生産についてアドバイスをしました。こちらがロニーです。
その時ロニーは、このようなことをアドバイスしたそうです。
・精製所に屋根をつける
・発酵槽にタイルを貼る
・チェリーは完熟した赤になったら収穫
・アフリカンベッドのあるビニールハウスを涼しくする
これらのことを、エルナンさんは即座に対応。特にビニールハウスには、アドバイスを受けた
翌月にはメッシュを張って、乾燥速度をゆっくりにしていました。
この取り組みによって品質が一気に向上したため、ロニーは翌年の2015年にCOEへの
出品を勧め、見事2位を獲得しました。
そこで得られた資金を元に、栽培環境や住環境を改善することができ、今では車も購入できました。
また、子供たちを学校に行かせることができたというお話はとても印象的でした。
今年見た精製所はさらに改良がなされていて、品質向上に常に取り組んでいます。
これがスペシャルティに取り組んで、成功を収めたケースです。
COE入賞がきっかけとなったので、大成功と言えるでしょう。
ロニーは、ホンジュラスのコーヒーでこういったケースを増やして、生産者の生活を改善させたい
と考えています。
取り組んだみんなが成功するとは限らないと思いますが、今でも好例とされている生産者のコーヒーは
必ず皆様にご紹介したいと思い、買付をしました。
<第一弾にして真打クラスのポテンシャル>
実際に自分で焙煎したのは、コーヒー豆が到着した後のテスト焙煎の時でしたが、届きたてを
焙煎したにも関わらず、素晴らしいポテンシャルを発揮していました。
香りはとても豊かでフローラルな香りが豆を挽いた時からして、楽しみを増幅させてくれます。
そしてジューシーな酸とまったりとした雰囲気のあるコクが、ピーチを連想させます。
この組み合わせはケニアのコーヒーとよく似ていて、上質なホンジュラスに見られるものです。
経験上、ホンジュラスのカツアイはこういったフレーバーが出てきます。
これが現地では全く感じられなかったのですが、買付けして大成功でした。
コーヒーの舌触り自体はとてもクリーンで、基本的にはスルッと飲めるコーヒーです。
ケニアはここがアフリカ豆らしい荒々しい印象がありますので、大きな違いはこの部分になります。
この豆は、日本でカッピングしていたら間違いなく即買いするポテンシャルのコーヒーです。
ホンジュラスシリーズ、第一弾にして、いきなり真打の登場と言っても過言ではありません。
【豆についての情報】
生産国:ホンジュラス
地域:ポッソ・ネグロ
品種:カツアイ
精製:ウォッシュド