<山奥の集落で始めたスペシャルティ>
2019年の中米出張で訪れたホンジュラス。
いろいろな所に行きましたが、かなり山奥だったのがこの農園があったサンティアゴ・プリングラ
という地域です。
標高は1900m程度あり、数年前までコーヒー生産ではなく、とうもろこしを作っていたそうです。
ここには「チャギテス」と「バニャデロス」という村があり、各生産者が小さな農園を持ち、グループに
なってスペシャルティコーヒー生産に取り組んでいます。
左に写っている人が、チャギテスのリーダーであるマルティン・ガレアさんで、このパトリアルカ農園の
農園主です。
ちなみにこちらがパトリアルカ農園です。
大分引いた場所からの写真ですが、農園のサイズ感がよく分かると思います。
ここには小さな精製所があるのですが、これは昨年のコーヒーの売上で作ったのだそうです。
ホンジュラスでは、スペシャルティコーヒーを通してこうして生活を良くしていこうとチャレンジしている
生産者がたくさんいます。
彼らの情熱は強く、またコーヒーの品質向上が確実に生活レベルの向上に繋がることを実感してきています。
言葉だけではなく行動で応援したいと思い、カッピングの印象と関係なくコーヒーを買付けました。
<ホンジュラスのポテンシャルの高さがすごい>
一応、当時のカッピングの評価を見返してみましょう。
フルーティとか赤ワインなどの、どちらかと言うとナチュラル精製のように感じていたようです。
ところが実際に到着したコーヒーは、もっとキレのある酸があり、コクもしっかりしていました。
最も印象的なのはやはり酸です。
明るくキレのある印象で、ちょっと浅煎りにするだけでもかなり前面に出てきます。
ただ、上質なホンジュラスに出てくるフローラルな香りとチョコレート系のコクも
持っていました。
この両面をしっかり活かしてバランスを取るために、焙煎度合はシティローストにしました。
しっかり目に熱を加えるようにすることで、コクと香りも十分に引き出すことを心掛けています。
現地でカッピングした時は、収穫してからあまり時間が経っていないせいでフレーバーが分かり
にくかったことと、正直なところ、生産者応援の理由で買い付けたので、実際にどんな風味になって
届くか心配でした。
でも、届いてテスト焙煎をしたコーヒーを飲んだ瞬間、サンティアゴ・プリングラを歩いた記憶が
一気に蘇ってくるような鮮烈な風味で、心配したのを後悔したレベルでした。
この始めたばかりの産地でこのポテンシャル。
ホンジュラスは本当にコーヒー生産に向いている土地がもっともっとあるんだろうと想像させます。
【豆についての情報】
生産国:ホンジュラス
地域:サンティアゴ・プリングラ
品種:イカフェ90
精製:ウォッシュド