<久しぶりにキリニャガのコーヒーを>
ケニアのコーヒーは毎年7月頃に日本に届いて、その中から1年間販売する豆を選びます。
当店がケニアを選ぶ時の基準は、「フローラルな香りとピーチ感のある酸が十分に感じられること」です。
この風味を求めて、この数年は「ニエリ」という地域のロットを入荷していましたが、今年は
久しぶりに「キリニャガ」という別の地域のコーヒーを入荷しました。
キリニャガもケニアの中では安定感があってよく知られている地域ですし、ニエリをある程度の
期間扱った後に、改めてキリニャガをどう感じるかも知りたかったので、今年はこちらにしました。
<位置関係はどうなってたっけ?>
改めて、それぞれの地域の位置関係を地図で見てみました。
ケニアには「ケニア山」というこの国最高峰の山が国のほぼ中央辺りにあります。
キリニャガはそのケニア山の真南に広がる県で、ニエリはケニア山から南西方向に位置します。
どちらもケニア山の麓辺りとですし、距離も直線距離で50km程度しか離れていませんが、
それでも風味や味のニュアンスに違いが出てくるのが、スペシャルティコーヒーの面白いところです。
<香りはとても豊富で、柔らかいニュアンス>
久しぶりに自分で焙煎したキリニャガのコーヒーは、懐かしい感じがしました。
選んだコーヒーは求めていたケニア独特なワイルドさを含んだフローラルな香りが豊富。
この香りのインパクトはニエリのものと変わらないですが、味本体のニュアンスが随分違います。
ニエリは輪郭がハッキリした、凝縮感を感じる「味の塊」みたいな感じでパンチがありますが、
キリニャガのコーヒーはこの塊が解けて、インパクトは優しい感じがします。
輪郭はピントをずらしてぼかした印象があり、前に扱ったキリニャガのコーヒーも共通していたので、
これが産地の特徴なのでしょう。
パンチを求めるならニエリ、全体を優しく、飲みやすい印象を求めるならキリニャガ。
これはもう、好みの世界ですね。
焙煎度合は、深めのシティロースト。
当店ではお馴染みの香りと酸の華やかさの両立を狙った、深煎り寄りのケニアです。
【豆についての情報】
生産国:ケニア
地域:キリニャガ県
品種:SL28、SL34など
精製:ウォッシュド