<同じゴールを持つブランドの器具>
2019年のSCAJ(スペシャルティコーヒーの展示会)で、とても嬉しい出会いがありました。
コーヒー器具のブランド「CAFEC(カフェック)」さんと初めてしっかり意見交換できたのです。
こちらの会社は以前から知っていましたが、今回お話させて頂いて、CAFECが目標としている
ことを知り、とても感銘を受けました。
「ご家庭で、できるだけ簡単に、美味しいコーヒーを淹れられる器具を提供する」
コーヒーは自分で淹れると、安定して美味しく淹れられるようになるまでに多少、練習が必要です。
でもCAFECでは、器具の方であらかじめ調整しておくことで、より簡単に美味しく淹れられる
器具を開発しています。
つまり、より多くの方が手軽に美味しくコーヒーを楽しめるようになることを目指しているのです。
当店では、この「より手軽に美味しいコーヒーを楽しむ」ということを、コーヒー豆で狙っています。
生豆の選定から焙煎前後に行うハンドピック、それぞれのコーヒー豆に合った焙煎プロファイルで
焙煎し、飲みやすいバランスの上にその豆の個性が表現されているコーヒー豆になるように
味を作っています。
こうして作ったコーヒー豆は、不快に感じる雑味や渋み、刺激のある酸味などが極力抑えられる
ので、抽出の時に多少ミスがあっても美味しく飲めるのです。
全ては、「ご家庭で淹れる時に、もっと楽になるように」
CAFECさんは器具で、当店はコーヒー豆でそれを目指していることが分かったのです。
この同じゴールを目指しているブランドの器具を取り扱わなければと、その時に決めました。
<美味しいところをしっかり抽出するドリッパー>
その実現を目指して開発されたドリッパーが、フラワードリッパーです。
ご覧のように、とてもきれいな見た目のドリッパーで、この見た目で気に入る方も多いです。
ですが、ドリッパーの機能自体もとてもよくできています。
ドリップの序盤は、思った以上に落ちるのが遅く感じます。
コーヒー豆の美味しい成分は主にドリップの前半に出ますので、その間はしっかり時間を取ることが大切です。
ですが、後半になるとその成分量が減ってきて、もはや半分出がらしのようなコーヒーになってきます。
その時間帯になると、落とすスピードを上げていった方が良くなっていきます。
このフラワードリッパーは、花びらの最も幅の広いところまでお湯を注ぐと、とても早くコーヒーを
落とすことができるようになっています。
こうすることで、前半でしっかり美味しい成分を抽出した後、後半の出がらし部分はサッと素早く
抽出が終わるように設計されているのです。
CAFECの方とお話した時に、「見た目から作っている」とよく言われてしまうと仰っていました。
実際はそうではなく、抽出機能を追求したらこの形になったのだそうです。
確かに淹れやすいドリッパーです。
個人的には、基本的な動作で淹れやすい一方で、抽出時間もコントロールしやすいと思いました。
初心者の方だけでなく、自分の淹れ方がある程度安定してきた方にも面白いドリッパーです。