<元々はペーパーフィルターの差別化から>
CAFECさんのペーパーフィルターは、台形のものを含めると実はものすごい種類があります。
でもやっぱり代表されるものは、このアバカペーパーです。
元々は台形ドリッパーの方で開発されたペーパーフィルターで、このペーパーが作られた当時、
各コーヒーメーカーがパルプに何か別の素材(竹とか麻とか)を織り交ぜて、商品として差別化を
図るのが流行っていたそうです。
その時期に、まだ使われていない素材でペーパーフィルターに使えそうな素材を探したところ、
見つかったのが「アバカ」。
アバカとは「マニラ麻」のことで、調べると麻というよりはバナナと同じ分類になり、繊維はとても
丈夫とのこと。日本の紙幣にも使用されている素材なのだそうです。
これを使ったペーパーフィルターはまだ販売されていなかったので、パルプに一部この素材を
入れて開発されたのが、アバカペーパー誕生のきっかけだったということです。
販売して喫茶店などのお店にも使ってもらったところ、普通のペーパーフィルターよりもスッと
抽出できてコクもよく出ているなどの評判を頂いたそうです。
その性能の良さは今も引き継がれていて、コーヒー好きの方々にも高い評価のペーパーです。
<詰まり感は少なく。風味はしっかりと>
当店では、このアバカペーパーを使用する前は、コーノのペーパーフィルターを使用していました。
コーノを使っていた理由は、元々はコーノの名門ドリッパーを使っていたこともありますが、
通液性の良さが気に入っていたのです。
当店の抽出は、前半はお湯の投入量を抑えてじっくりとコーヒー豆から味を出し、後半は湯量を
増やしてサッと落としていくというスタイルなので、ペーパーフィルターが目詰まりを起こして
お湯抜けが悪くなるとイメージした抽出ができません。
アバカペーパーはその辺りも問題なく、抽出全体を通して抜けの良い性能の
ペーパーだと感じます。
コーノのペーパーフィルターを使用している方は、違和感なく使用できるでしょう。
ペーパーフィルターはずっと使っていくものなのでコストも気になるところ。
アバカペーパーは小さいサイズは他のものと価格差は大きくないですが、大きいサイズの価格が
小さいものとほとんど変わらず、フラワードリッパーの2~4杯用と同じサイズの円錐ドリッパーを
使っている方には、ランニングコストの削減としても、とてもおすすめできます。
円錐ドリッパーのペーパーとしては間違いのない、ペーパーフィルターです。