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【店主のクドバナ・その5】生豆輸送も変わって来てますね。

8月の東京は27日間に渡って雨を観測したそうで、9月に入ってからも残暑はどこやらという感じで涼しい日が続いています。
先月はお盆休みがあったのですが、明けてから焙煎セミナーが活況で、おかげ様で2本目のメルマガが書けなかった上、このクドバナも実に1ヶ月振りくらいになってしまいました。

そろそろ書かないとなーと思ってた先日、コーヒー豆を一挙4種入荷しました。

この豆が届いた時に撮った写真で、SNSにもアップしたのでご覧なった方もいらっしゃるかもしれませんが、この4種類、左からアジア、南米、アフリカ、中米と世界各地から届いたコーヒー豆です。
別に狙ったわけではなかったのですが、たまたまそうなったことに気づいたので写真を撮りました。

ここにずっと置きっぱなしという訳にはいかないので、さっさと片付けたのですが、片づけた後にさらにふと気づいたことがありました。

全部、荷姿が違うのです。

コーヒー豆の荷姿と言えば、ほとんどの方が麻袋と考えるだろうと思います。
この中ではこれです。


麻袋が使われる理由として、「丈夫な上に通気性が良いから」という話を聞いたこともありますが、「現地で安価に手に入る素材だから」というのが実情に近いという話もあります。
これについては直接ウラを取っていませんので分かりませんが、「麻袋だから保存ばっちり」というのはちょっと強引かなというのが個人的な感想です。

ですので、最近のスペシャルティコーヒーは「グレインプロ」という厚手のビニール袋に入って、その上から麻袋というパターンが増えてきています。
こんな感じです。

元々は穀物保存用の袋だったのですが、コーヒー生豆にも使われるようになりました。
カフェカホンが始まった頃は、まだまだ麻袋に直接コーヒー豆が入っていることが多かったですが、今はそういったことは本当に限られた産地だけになって、大半がこの形で届くようになりました。

このグレインプロは、保管用であって運搬用ではないので、場合によっては穴が開いたり、破れたりしていることがありますが、最近は船から降ろすところから、トラックに積み込んで店舗に運ぶ際に、倉庫会社さんや運送会社さんがとても注意を払ってくれていて、随分良い状態で届くようになりました。
最近、当店の生豆の劣化が遅く感じられるのは、この影響もあるかもしれません。

ただ、この袋を使えばその分コストがもちろん上がるので、使われているのはスペシャルティグレードなどの品質の高い生豆に限定されると思われます。

今回届いたもので、同じグレインプロが使われているのが、こちらのコーヒー豆です。

こちらは袋の素材が麻ではなくて、ブルーシートのような化繊です。
この袋で届くところもかなり稀で、当店では今のところルワンダだけです。
このコーヒーもルワンダのコーヒーです。

この素材の袋は、実は現地ではそんなに珍しくありません。
特に、精製が終わって倉庫で保管しておく時などは多く使われているようです。
こんな感じですね。

昨年グアテマラで聞いた話では、この素材の方が麻よりも安く、しかも保存が効くということでした。
現地の心理としてはこのまま出荷できると楽なんでしょうけど、どの道グレインプロに入れるし、麻袋の方が消費国にウケが良いのかな?と思います。農園のロゴとか入れられますし。
ちなみに、袋の中はこんな感じです。これは麻袋と同じですね。

スペシャルティグレードのコーヒーで、グレインプロと並んで見られるのはバキュームパックです。

こういった感じで、ガッチガチの状態で届きます。
バキュームパックの場合は、段ボールに入ってきます。
パックの素材は、こういった厚手のビニールの時もあれば、アルミ袋の時もあります。
アルミの場合は、大体はオークションロットですが、一般的なロットでも見掛けます。

バキュームパックはやはり保存が効いているという印象があります。
ですが、パックを開けてすぐの時と、しばらく経ってからの風味の出方が少々違うような気がします。
こちらも具体的なウラは取れてなくて、使っていての実感ですが、「仮死状態から戻る時間が必要」という感じがします。

そして、今回初めて届いたのがこちらです。

こちらはブラジルのコーヒー豆なのですが、素材が紙です。
ごわごわしたかなり厚手で硬めの紙で、その内側に薄手のグレインプロのようなビニール袋が入っていて、その中にコーヒー豆が入っています。

この袋に関してはちょっと聞いただけで名称や詳しいことはちょっと分からないのですが、今後、ブラジルから送られてくるコーヒー豆は、この荷姿で来ることが増えるかもしれないということです。

保存などはどうなんでしょうね?
今年から急に見掛けるようになったもので、その辺りは情報がまだ入ってきていません。
とりあえず、今回届いたこのコーヒー豆は問題ないようです。
中の袋に穴や破れなども見られませんでした。

ただ、輸送はちょっと面倒になったのだろうなあと予想します。
完全に手で持たないといけない袋になっていますし、麻袋なんかは袋自体が破けるということはかなり難しいと思いますが、この袋はどこか尖った所に当てたとか、落とした時の衝撃などで破けるのだろうなあと思います。

今回届いたコーヒー豆の荷姿をざざっと紹介してみましたが、新旧、いろいろあって興味深かったです。
この中で感じたのは、「コーヒーは常に新しい事がチャレンジされている」ということです。
これは農園に行った時にも感じたことだったのですが、こういった所でも「より良い状態で消費国に届くように努力する」という気持ちが出ているように感じました。

今回のブラジルの袋のように、新しいチャレンジが良い結果を生むかどうかはまだ分かりません。
でも、そのチャレンジはコーヒーにおいてとても大切なことだと思います。

例えば、意欲のある生産者は、毎年新しい品種、精製方法、またはこれまで行われている精製方法でも、細かい工夫をして、一層品質を上げる努力をしています。
そのおかげで、毎年のように新しいコーヒーに出会うことができます。

こういった姿勢を見ていると、今後のスペシャルティコーヒーも、まだまだ出会ったことのない、飲んだことのないコーヒーが登場してくることは間違いないと確信できます。
「今から勉強しても遅いし」なんてことはありません。これからコーヒーを飲み始めても全く問題なく楽しめると思います。

当店は小さいお店で、限られたコーヒー豆しか紹介できませんが、この生産者の熱意を素晴らしい味に表現してみなさまにお伝えできるように、これからも生産者に負けないように成長していきます。

という訳で、今回は生豆が運ばれてくる時の荷姿という、ちょっとマニアックな切り口で書いてみました。クドバナらしくて良いかなと思いますw
みなさん、これからもまだまだ一緒にコーヒー楽しんでいきましょう!

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