みなさん、こんにちは。カフェカホン店主の平村です。
先日は今月の営業についてなどお知らせ全般の記事を公開しましたが、今回は、今月のコーヒー豆についての記事になります。
さっそくですが、今月の新豆を紹介します!
12月恒例のゲイシャが登場です!
今月の新豆はこちらです!
コスタリカ ラ・カンデリージャ農園
ゲイシャ(トラディショナルウォッシュド)
コスタリカ ラ・カンデリージャ農園
ゲイシャ(スペシャル)
ここ数年は12月になるとゲイシャを販売するというのが恒例の流れになっていまして、その中でも一昨年からコスタリカのラ・カンデリージャ農園に直接お願いをして特別ロットをご用意するという感じになっています。
そして、今年は何と2本立て。
2種類の精製方法で作ってもらったゲイシャを販売していきます!
第1弾はトラディショナルウォッシュド
既に実店舗店頭では販売を始めていますが、第1弾は「トラディショナルウォッシュド」となります。
これは要するに「普通にウォッシュド」なのですが、中米の中でもコスタリカだけはこの「普通のウォッシュド」が実はレアものなのです。
「普通のウォッシュド」は一般的に「フリーウォッシュド」とか「フルウォッシュド」という言い方があります。
摘み取ったチェリーを果肉除去した後に水を張った発酵槽という水槽に丸1日程度浮かべて、表面に残っているミューシレージを分解。その後水と豆をまとめて水路に流して洗った後に天日乾燥という流れです。
この時に使った水が排水となるのですが、コスタリカではこの排水の量が1日いくつという感じで規制があります。
そのため、このフリーウォッシュドをできる生産者がとても限られているので、コスタリカではミューシレージの除去は、機械で行うことが多いのです。
機械除去の方が、少ない水の量でミューシレージを除去できます。
そこを敢えて、フリーウォッシュドでお願いしたゲイシャということなのです。
カンデリージャでは、「トラディショナルウォッシュド」と呼んでいます。
やはりウォッシュドで精製することによって、精製方法による風味が着いていない、その豆本来のポテンシャルを感じられるということと、ゲイシャはこの元々のポテンシャルで楽しみたいという店主のわがままで作ったロットです。
一昨年にもお願いして販売していたのですが、このカンデリージャのゲイシャは素晴らしいポテンシャルがあるので、フローラルな香りやグレープフルーツを思わせるジューシーな酸、お砂糖系の甘さが十分に感じられました。
昨年は別の精製方法でしたので、2年ぶりに登場。
今年のロットは、今のところこれまでよりも繊細さを感じられる風味でしょうか。
ただ、届きたてで生豆がまだ全力を出していない感じがひしひし感じられます。
酸はこれまでより素直にキレを感じるので、レモン寄りかなと思います。
ただ、ブラウンシュガーのような甘みがしっかりあって、やはりポテンシャルは高いゲイシャだなあと感じますね。
第2弾は「スペシャル」
トラディショナルウォッシュドで本来のポテンシャルを感じたところで、後半から販売予定の第2弾「スペシャル」が登場します。
この「スペシャル」もカンデリージャ内の独自の呼び方をしている精製方法です。
摘み取ってきたチェリーをまずは果肉を剥かずに天日乾燥します。これは要するに「ナチュラル」なのですが、果肉を剥けるギリギリまで果肉付きで乾燥をしたところで果肉を除去。その後最後まで引き続き乾燥させるという方法のようです。
途中までナチュラル、後半ハニーという感じのハイブリッド精製ですね。
その工夫は精製にもしっかり出てきます。
トラディショナルウォッシュドの場合は、クリーンで切れのある風味印象で、余韻も明るい印象がありますが、このスペシャルになると、ウォッシュドの時の酸や香りの印象は残しつつ、全体にベリーの甘さが感じられます。
余韻も明るく伸びやかなウォッシュドに比べると、全体に甘く丸い印象があって、ナチュラル精製の要素が混ざっているのが分かります。
消費国から見ていると、なかなか変化が感じにくいですが、生産者側では毎年何かしらの新しい取り組みをしていますし、こうして目に見える形になる前に何度か試していることがほとんどです。
試したものの、期待した効果がなく目に触れなかった挑戦がたくさんあることでしょう。
当店では、本当に微力ながら、こうした生産者の努力をできるだけ皆さんに体験していただけるように、これからも買付をしていきます。
今年のラ・カンデリージャ農園からは、まずはこの2種類のゲイシャをお楽しみください!
コーヒーラインナップ状況
そして最後に、この1ヵ月のラインナップの変化をお伝えしておきます。
まずは完売豆からです。
【完売豆】
・コスタリカ ラ・カンデリージャ農園 ティピカ(ハニー)
カンデリージャの昨年買付分で残っていたハニーも完売となり、昨年買付分はこれにて終了となりました。
カンデリージャの買付分は、今月のゲイシャから始まって、この後まだまだ出てきますので、ご期待ください!
・ペルー ミラフローレス農園 ゲイシャ(ナチュラル)
真夏から販売を始めたゲイシャでしたが、カンデリージャ販売開始前にキレイに完売となりました。こちらもポテンシャルの高さを伺えるゲイシャで、もしチャンスがあれば、ぜひウォッシュドで飲んでみたいですね。
・エルサルバドル サンタ・リタ農園 ブルボン(ナチュラル)
今年の春頃からナチュラル枠を守ってもらっていた懐かしのコーヒーも完売となりました。今のところ、再入荷の予定はありません。
続いて、在庫僅少豆です。
【在庫僅少豆】
・マラウイ マケイェ マラウィゲイシャ、他(ウォッシュド)
久々復活していたマラウイも、もう売り切れ寸前なのですが、今年のクロップで再入荷します。
ですが、新クロップはマラウィゲイシャ単一になっているようで、サンプルも試しましたが、少しだけ風味傾向が変わりそうです。
こちらが完売次第、新クロップのマケイェに切り替わります。
・インドネシア サダヤナ シガラウータン、他(ウォッシュド)
先月で終了するかと思いましたが、ほんの少しだけ残った当店初のジャワ島のコーヒーです。今月中には必ず完売予定です。
・ブラジル セーハ・ダス・トレス・バハス農園 イエローブルボン(パルプドナチュラル)
まだ少しあると言えばあるのですが、現在のブラジル枠も少なくなってきました。
言われなかったらブラジルと思わないくらいクリーンなコーヒーで、たまに飲むと自分でも驚きます。こちらも今月中にはなくなるかもしれません。
・ニカラグア カサ・ブランカ農園 カツーラ(ナチュラル)
こちらも、まだ少しあると言えばなのですが、一応お知らせです。
ナチュラル精製と言えば個人的にはこの農園なのですが、今のところ完売した後の再入荷予定はありません。ナチュラル精製のオーソドックスな風味ですよ。
と言ったところで、コーヒー豆だけで1本記事にできると思うとついつい入れ込んで長くなってしまいました。
今月の新豆のゲイシャは、ネットショップには準備でき次第公開します。
それではみなさん、良きコーヒーライフをお楽しみください!